挑戦と創造special03/アグリビジネス

主体的に向き合い、
農業分野の課題解決に挑む。

Project

17年連続で東北における農業産出額1位、全国においても7位という実績を持ち、食料自給率も全国上位に位置する青森県。一方で、就農人口減少などの慢性的な課題を抱えていることもまた事実である。地域と共に発展を目指す銀行として、この課題にどう向き合っていくのか。農業分野の支援に挑む者たちの軌跡を辿った。

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自ら当事者となることで
課題を把握し、ノウハウを得る

地域創生部が担うアグリビジネスとは、生産だけでなく、加工や流通といった食関連産業全体を対象とした農業分野のコンサルティング業務のことを指す。地域創生部に着任早々、「何はなくともまずは“現場を知る”ことからだ」と考えた根田は、農業課題の把握や生産現場の実情、生産に関する知識習得のため、銀行業務と並行しながら青森県内生産者のもとへ通い、作付から収穫まで携わった。 自ら当事者となることで、コストの見える化や管理の難しさ、反別・作付別収支の把握ができていない生産者もいることなど、経営に関する課題が見えてきた。また、地形の違いや圃場が散在しているなど、地理的な要因やその生産者ならではの事情によって問題点は千差万別であり、一概に生産量では判断できないことも分かった。
この成果から、生産面・経済面それぞれの課題を解決すべく、補助金の申請支援や農業への新規参入、法人成、6次産業化支援などのプロダクトメニューを提案。特に深刻化する人手不足や高齢化に対しては、農業分野に特化した特定技能資格を有する外国人材派遣事業を展開。作付面積の拡大や農繁期の人手不足の解消に効果を発揮し、実際に導入半年で20名の外国人材を派遣する実績に繋がっている。

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ドローンによる農薬散布など
スマート農業を普及
ドローンによる農薬散布などスマート農業を普及

一方、根田とは違った角度からアグリビジネスに携わっているのが及川だ。「株式会社オプティムアグリ・みちのく」はみちのく銀行と株式会社オプティムが共同で設立した地域商社であり、及川は出向者としてスマート農業関連のPR活動をはじめ、AIやドローンを使い、農薬使用量をできるだけ抑えて育てられた「スマート米」の販路開拓などを推進している。
中でも現在、最も注力しているプロジェクトは、水稲への農薬散布をメインとしたドローン散布サービスだ。青森県内は無人ヘリコプターを使って農薬散布を行う共同防除を委託する農家がほとんどである。たしかに無人ヘリコプターでの散布は効率が良い。一方、ドローン散布であれば、より丁寧に、細かい作業で散布ができるという利点が有る。ドローンを活用することで現状の散布の課題を解決できると及川は考え、農家へ足を何度も運びニーズの確認を行った。「ヒアリングの結果、現状の共同防除はエリア毎に散布日が決められており、水田に散布の行われる日が、農家の希望に沿っていないという課題があることがわかりました。ここにドローン散布のニーズがあると思いました」。

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多角的な支援で
青森の農業に貢献

地道な営業活動を続けた結果、これまで農薬を散布したい時期を逃していたり、様々な課題を抱えている農家から依頼が入るようになったほか、法人農家からの受注も徐々に増えた。また、最近では無人ヘリコプター運営協議会からも「散布効率が悪いエリアへの対応をお願いしたい」と依頼が入るようになったという。「今後はこのようなスマート農業の技術を青森県農業でどのように活用できるかをさらに考えていきます。時間はかかるかもしれませんが、青森県農業における課題を的確に捉え、支援することで、地域の未来はもっと明るくなるのではと思います」と及川は話す。
プロクレアホールディングスは日本政策金融公庫の「課題解決サポート事業」に採択されており、それを通じた農業分野のコンサルティング、伴奏支援の実施を検討している。これまで以上に地域に寄り添い、タイムリーな情報提供やコンサルティング機能の発揮が求められることになる。青森県の農業に貢献するべく、二人の挑戦はまだ始まったばかりだ。

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プ地域創生部ビジネス成長支援室・アグリビジネス/根田 健太郎
地域創生部
根田 健太郎 Konda Kentaro
2012年入行
株式会社オプティムアグリみちのく 出向/営業統括部長 及川 大佑
株式会社オプティムアグリ・みちのく 出向
営業統括部長
及川 大佑 Oikawa Daisuke
2013年入行

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